2009/05/26

バックパッカー

バックパッカーと云う言葉には今でも違和感がある。座り心地の悪い椅子と云うより、自分が場違いな気がして落ち着かない。
兎に角きれいな感じがする。新品の匂いがする。なのに貧乏旅行の今時版みたいに使われている。なんか奇妙だ。
そう思いません?

昔、ヒマラヤ周辺をうろうろしていた頃の私は、今ならバックパッカーと言われちゃうんだろうな。現にバンコクの空港で、ピッカピカのバックパック姿のカップルに市内までタクシー相乗りを持ちかけようと云う下心で声をかけたら、いきなり
「貧乏旅行の方ですか?」
「は…ぁ…そーですね、貧乏旅行の方です」
はっきり断られました。
あまり安い宿に泊まりたくない、あまり汚いところに泊まりたくない___オタクら私の何を知ってんのさ!何決めつけてんのさ!この腐れ万個賃子!話す時は人の目見て話さんかいコラ!この期に及んで地球の歩き方に穴空けたいんか!
「じゃあ気をつけて!」
ニコニコその場を離れましたけどね。もちろん安宿向かいましたよ。。。なにか?

貧乏旅行と云うことばも昔から嫌いであった。
現地の人たちからすれば私は金持ちである。そんな私が貧乏だなどと言えますかね?彼らに失礼だと云う気持ちがあったし、貧乏より貧乏とは、どう云うこっちゃねん。
もちろん貧乏を下げずむつもりは無かったけど、彼らを貧乏人とは絶対に言えない。だから平気で"I'm poor""I have no money"と言って乞食を去なす旅行者が不愉快だった。だったら働けよ!確かに日本に帰ったら貧乏かもしれんが、飛行機代くらいあるだろ!と、たまに怒ってました(頭の中で)。
そんな訳で、私自身は「節約旅行」といってましたが、どうも貧乏旅行の方がキャッチーなんですよね。定着するどころか広まる気配もなく、気が付けばバックパッカーなんて南蛮ことばに天下をとられてしまった。そしてバックパッカーと聞く度に蘇るバンコクの空港での会話___

「貧乏旅行の方ですか?」


でもさ、パキスタンのイスラマで安い夕飯くってたら、隣に居合わせたおっちゃんに服かってあげようと言われたんだよね。そんな服みっともないから捨てろとまで言われた。その時やっと自分が乞食みたいな格好だと自覚したんだけど、でも、本当は履いてたサンダルも足形に窪んで穴があいていたんだよね。もちろん黙ってたけど。買ってもらえば良かったかな?

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