2009/07/08

ウイグルの風向き


今回のウルムチでの一連の騒動は、さすがに日本のマスコミの鈍い腰も突き動かしたようで連日報道されてはいるけれど、なんかお座なりな報道が多い。判で押したように「背景には深刻な民族対立」だけで済ませ、番組独自に背景を掘り下げて解説する気の全くないものが殆どだった。もしかすると私のTV視聴する時間帯に問題があるのかもしれないから全てとは言わないけど、それにしてお粗末だ。少なくとも夕刻のニュース番組では胡錦濤の帰国やチベット問題に言及したものも少なかった。まあ、夜のニュースで触れるでしょう???
夕刻のTVニュースでは、まあNHKが一番誠実な報道ぶりだったかな。アメリカの抗議デモやラビア氏のコメントも流していたし。中国で突然画面が真っ黒になったのは、この部分かも?あ、これは間違い。夕刻ではないか。若干記憶が乱れてます イヤハヤ ~~;;。
で、主婦層が一番見ている時間帯で最も詳しく解説していたのは、関西ローカルだけど関西TVの「ANCHOR」で、「青山がズバリ!」のコーナーだった。私のブログを読んで下さる皆さんなら「今さら」な内容なので、詳しくは紹介しませんが、要はアジアでもベルリンの壁が崩壊するきっかけにもなりかねない大事件で、だからこそ胡錦濤は急ぎ帰国したのである。

今回の騒動で私が一番注目しているのは漢族の反応である。
それを除けばチベットなど従来見られたパターンと同じだが、今回は当局による情報操作が一部の漢族を暴徒化してしまっている。チベットでも情報として伝わらなかっただけで同様のことがあった可能性はあるが、あったとしても規模は小さかっただろう。しかし今回は規模も大きく大都会である。飛び火が懸念される中、対応を誤って拡大してしまえば収拾がつかなくなる。特に中国全土で漢族の社会不満が暴走なんてことになれば、それこそベルリンの壁がカウントダウン。アジアのベルリンの壁は血なまぐさいものになるかも…。
青山氏が指摘したように胡錦濤帰国は正しい選択であった。(某国のA生さんも見習って欲しいところだが、もう今更遅いか。)恐らくウルムチでの混乱の終息は時間の問題だろう。しかし、全てが100%中国当局の思惑通りにいくはずがない。
例えば、今回の騒ぎで一躍クローズアップされたラビア・カーディルさんだけど、中国当局の「ラビアは第二のダライを目指している」という宣伝は、むしろ指導者不在という独立運動の弱点に回答を与えてしまっているような気がするし、事実、中国政府への反論声明がウイグルの代表者である印象を明確にした。これまでも実質的キーパーソンだったけど、今後の動向如何でウイグルの指導者になる素地は十分にある。

何はともあれ、ウイグルの風向きが変わったような気がしてならない。これでチベットも息を吹き返してくれることを願いたい。それで再びチベットに入れなくなったとしてもだ。(もし今度入れないようなら、さすがに今度は諦めるしかない。既に金銭的にキツいんだけど、更なる延期は気持ち的にもキツい。一旦、生活を立て直さないと;;)


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